お母さんは間違っていませんか13 「お母さんこれ読んで」の呼び掛けに応えていますか


 診療所に行くことがあります。よく見ることですが、待合室にお母さんが子どもを連れて診察にやってきます。行儀よくお母さんの膝にのって待っている子もいれば、走り回っている子います。また、雑誌や漫画を読んでいるお母さん、おとなしく絵本を読んでいる子もいます。
 お母さんが子どもを抱き、絵本を読んであげている親子もいます。ほほえましい情景です。
 ところが、子どもは、お母さんに「これ読んで」とせがんでいるのに、お母さんは雑誌や漫画を読むことに熱中し、「自分で読みなさい」と言っているお母さんもいます。心が痛む情景です。この頃はこのような情景をよく見かけます。
 子どもが、「お母さん、これ読んで」と言っているのは、ただ、絵本を読んで欲しいだけではないのです。
 「お母さん、わたしを抱いて」「お母さん、わたしに愛情を注いで」と訴えているのです。この訴えに対してお母さんがどう応えるが大切なことなのです。その子は、お母さんに読んでもらわなくても、ひとりで絵本を読めるかも知れません。しかし、その中にある子どもの願いに親はどう応えるが重要なのです。たとえ、2年生、3年生になり自分で本を読めるようになっても、子どもが「お母さん本読んで」と願い出た時、その願いにしっかりと応えてあげてください。側に弟や妹がいれば、お母さんの膝に乗せ、抱きかかえるようにして、本を読んであげてください。子どもが寝るときに枕元でいつも本を読んであげているお母さんもおられます。
 子どもは、お母さんの鼓動を聞きながら10ヶ月も過ごしたのですから、お母さんに本を読んでもらうことが大好きであると同時に、一番心が満たされる時なのです。
 この頃、子どもたちに読み聞かせの時間をとっている学校も多くなっています。また、地域の方が、土曜日に学校に出かけ、子どもたちに本の読み聞かせの集まりをもっているところも多くなってきています。子どもたちは心待ちにしています。
 子どもが本を読まなくなったと言われてきました。しかし、この頃は本を読む子が多くなってきています。うれしいことです。
「あなたのみことばは、‥‥‥蜜よりも私の口に甘いのです。」 詩篇119篇103節