お母さんは間違っていませんか10 子どもの好き嫌い


 小学校に入学すると、給食がはじまります。給食は子どもたちにとって、大変楽しいものです。しかし、今日の子どもたちは好き嫌いが多く、本当に喜んで食べる子が少なくなってきています。さまざまなアレルギー体質の子どもたちも多く、給食を作ってくださっている調理士の方々や栄養職員の先生方は大変苦労をしておられます。
 幼児の頃から好き嫌いが激しく、お母さんが苦労をされている場合も多いようです。食べ物の好き嫌いが多いということは、様々な問題を引き起こします。
 まず、人に対しても好き嫌いがはっきりします。自分の言うことを聞いてくれる人は好きで、聞いてくれない人は嫌いというようになりやすいです。
 次に、栄養が偏り、健康上、大きな問題を起こすようになります。さらに、体の成長にとってばかりか、心の成長にとっても大きな影を落とすことになりえません。
 お母さんは、子どもの好き嫌いをなくすために料理法を工夫されていると思いますが、何よりも大切なことは、親が本当においしく食べているかということです。
 子どもの嫌いなものでも、お父さんやお母さんや家族全員が「心からおいしいなあ」という思いをもつことが大切です。
 子どもの好き嫌いを直すためには、あせってはだめです。私が一年生担任していた子に肉が嫌いな子がいました。時間はかかりましたが、肉を食べる子になりました。その指導の秘訣は、少しずつ食べさせることでした。ほんのわずか食べさせるところからスタートしました。そして、食べた時には心から子どもをほめました。そして、子どもとの約束を守りました。あせってはだめです。一学期かかりましたが、嫌いな肉を喜んで食べることができるようになりました。
 今日、思春期の子どもが様々な問題を引き起こすことが大変多いです。昨年の悲しい事件、あたたかな食卓が家族をいつも迎え入れる場であったならば、このようなことは起こらなかったかもしれません。心の荒れる原因は種々あるなかで、食事の占める割合は軽くはありません。
 様々な健康上の事情で食べることができない子どもたちも多くなっています。お母さんは大変苦労されていると思います。このような子どもたちにも、祈りの内に育てていきましょう。
「さて、夕方になって、イエスは十二弟子といっしょに食卓に着かれた。」
マタイ26章20節