朝会の話6 お母さんへの請求書続き

 
 おはようございます。
 この前のお話について、6年生、5年生、4年生、3年生とたくさんのお友達からお手紙をもらいました。とてもうれしかったです。みなさんは、とても私の話をよく聞いてくれて、いろいろと考えてくれていました。とてもすばらしいことです。また。いろいろと感じたり思ったりいしたことがあれば、どしどしお手紙をくださいね。 今日は、この前の続きをします。
 一郎君はお母さんからの請求書をもらって困ってしまいました。ぼくは、お母さんのお手伝いを少しだけしかしていないのに、500円もらった。でも、お母さんはいっぱいぼくのために世話をしてくれているのに、みんなただ。
 この前もぼくが病気になったときに、夜も寝ないで、ぼくの側にずっといてくれたなあ。熱が上がらないように、冷たい手ぬぐいを変えていてくれてたなあ。ぼくがしんどくて歩いて病院に行けないので、ぼくを背負って連れていってくれたなあ。でもみんなただ。
 だのに、ぼくは、少しだけの手伝いで一回100円ほしいと思う。ぼくは、ほんとうに欲張りだなあ。
 お母さんがぼくにくださった500円これは、ぼくが漫画を買うために使ってはいけないなあ。お母さんのために使おうと決心しました。この前。コープに言ったとき、かわいいエプロンがあった。あれは1000円だったので、ぼくの貯金箱の中にある500円を出して、こんどお母さんの誕生日にあげようと思いました。
 それから、お母さんがお手伝いをしてねと言ったときは、「うん、いいよ」と言ってちゃんとお手伝いをしようとも思いました。
 お母さんの誕生日になりました。一郎君はお母さんにエプロンを渡しました。お母さんは、にこっと笑って「一郎君ありがとう。」といってくれました。一郎君はうれしくなりました。そして、お母さんに
「あのね、お母さん。ぼくのためにいっぱい世話をしてくれているのに、なぜ、みんなただなの。」
聞きました。お母さんは
「あのね、一郎君、どこのお母さんでも自分の子供がかわいくてたまらないの。心のやさしい、元気な、どんなことでも力いっぱいがんばる子になってほしいの。だから、悪いことをしたときは叱ったりするんだよ。それからね、お母さんが小学生の時に、先生から、自分の子供の命を助けるために、お母さんの命を捨ててしまった人の話を聞いたの。だから、お母さんは、少しぐらいしんどくても、一郎君のために一生懸命にがんばるんだよ。」
 一郎君はびっくりしました。子供の命を助けるために、お母さんが命をすててしまうことなんてあるのかなあと思いました。そこで一郎君は
「ねえ、お母さんその話を聞かせて。」
と言いました。お母さんは
「それでは、またこんどお話をしてあげるわね。」
といわれました。
 今日は、お母さんへの請求書の続きのお話でした。1992年5月25日