お母さん間違っていませんか 5 子どもと視線を合わして

 
 先月号で終わりにしようかと思っていましたが、親が反省するべきことがまだまだあるようです。先月号にも書きましたが、今日の子どもの問題の源流は親なのです。
 あの事件が明らかになってから、各教育委員会は学校に様々な指導がなされました。確かに各学校が命の大切さをもっと教える必要があるでしょう。自分の命の大切さと同じ様に、他の人の命も大切であることは教える必要があるでしょう。
 ある学校の校長先生が「いくら、学校が一生懸命になっても、親がね。」と言われるのです。子どもが親の言うことを聞かないと言って、子どもを虐待したり、親が楽しみたいと言って子どもだけで留守番をさせたり、車の中に閉じ込めたりするようなことが余りにも多いようです。
 もう一度親と子のかかわり方を考えてみたいものです。
 6年生の女の子が自殺した事件に出くわしました。その後そのお母さんが「その日夕方の忙しい時に、『お母さん』と呼びかけてきたのです。忙しいときだったので、『今忙しいから後で。』と何気なく言ってしまったのです。あの時、振り向き眼を見て話を聞いてやればよかった」と悔やんでおられました。 
 子どもが、母親や父親を呼ぶときには、何か話したいこと、訴えたいことがあるのです。その時を親は逃がしてはいけません。子どもと視線を合わしてきちんと話を聞いてやるのです。いくら夕飯が遅くなっても、子どもの話を聞いてあげることの方が大切です。上から見下ろすのではなく、腰を下ろして、子どもと同じ高さになり視線を合わせて聞くところから子どもの気持ちが分かるのです。 
 乳児がお母さんのおっぱいを飲んでいる時、赤ちゃんは下からお母さんをじっと見ています。そして語りかけます。その時、お母さんもきっちりと子どもと視線を合わせて話してあげましょう。うなずいてあげましょう。まして、親の目がテレビに釘付けになるようなことがないように。この時期からの親子関係が大切なのです。
「キリストは、神の御姿であられる方なのに、ご自分を無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられたのです。」 ピリビ2章6・7節