心の教育シリーズ11 遊びの大切さを認識しよう

 
 2002年から学校が週五日制になりました。このようになった理由はいろいろありますが、知育に偏った教育よりも、心を育てる教育を重視し、学校だけではなく、家庭や地域で子どもを育てることの重要性を再認識されたからです。
 家庭や地域で子どもを育てることや、自然の中での遊ぶことは、子どもの心の成長にとって様々な面で大切な役割を果たしています。
 幼児は、遊びを通して、感覚を働かせたり、運動したり、物をつくったり、想像したりするようになります。そして、他人を思いやること、我慢することなどを身に付けていきます。
 小学生の頃になると、遊びは、子どもの成長に応じて人間関係をつくる力、集団のルールを守る心、忍耐力や責任感、積極的な意欲や自発性などが子どもたちにはぐくまれ、子どもの健全な発達がうながされます。
 現在の子どもの様子をみてみると、おけいこごとや塾通いが多いため、子どもの遊びの機会そのものが減少しています。また、少子化のためや戸外での遊び場が少ないため、「孤立型の遊び」が目立ちます。そのため、遊びで大切な集団の中での切磋琢磨することが行われにくくなっています。
 また、幼児についても、テレビは好きだが玩具では遊べない、母親に密着して集団の中で遊べない、外遊びが苦手である、想像力が求められるままごとのような遊びができないなど遊べない子どもたちが増えてきています。
 こうなったのは、親が子どもを遊ばせないようにしてきているのではないでしょうか。また、子どもと上手に遊べない親になっているのではないでしょうか。幼児期から小学校段階の子どもを持つ親は、この時期の遊びがもつ意義の大きさを十分に認識して、知育優先の考え方を改め、子どもたちが友達と一緒にのびのびと遊ぶ機会を持つようにさせるべきです。
 
「私が子どもであったときには、子どもとして話し、子どもとして考え、子どもとして論じました。」   コリント人への手紙第一 13章10節