心の教育シリーズ10本を読んで聞かせよう


 子どもにとって読書は、想像力や考える習慣を身に付け、豊かな感性や情操、そして思いやりの心をはぐくむ上で大切な営みです。読書の楽しみを知り、読書に慣れ親しむようにするのには、何よりも子ども時代、特に幼児時代の体験が重要です。
 「子どもが本を読まなくなった」と言われてから30年以上はたっています。 現在は、その時よりも、子どもを読書から遠ざける要因が多くなっています。塾通いに忙しい子ども。テレビゲームあるいはその他の数多くのゲーム機に興ずる子ども。ひたすら目と手の連係操作によって、ものも言わず笑いもせずほとんど身動きせずに機械と戦う子どもが余りにも多いのが今の時代です。
 この様な子どもたちに読書の楽しみを教えることは大変難しいことです。
 ところが、子どもは好奇心の塊です。「なぜなぜ病」は3歳ごろから始まり親を悩ませます。子どもは冒険心に富み、つねに未知の世界を知りたいという欲求に駆られています。この時代から本に親しみを覚えさせることは、子どもを読書好きにさせるのに何よりも効果的です。
 そのためにはまず、幼少時から本を読んで聞かせることから始めてほしいです。親のぬくもりを感じながら、優れた絵本に接し、一緒に共感し合うひとときは、子どもの感性や心を豊かにする貴重な時間となります。読書を習慣付けるためには、たとえ一回の時間は少なくても毎日本を読み聞かせることが望ましいことです。
 食事の時間、昼寝の時間と同じように「本の時間」を設けて、本を読み聞かせるといった工夫をしてほしいものです。また、子どもが眠る前に、添い寝をしながら本を読んで聞かせることは、親にとって充足感を覚える時でもあり、子どもの心の成長に計り知れない恵みをもたらす時でもあります。
 幼少時に限らず、小学校低学年の子どもたちにも試みてほしいです。
 親が、特に母親が読書好きだと、子どもは読書好きになりやすいといわれています。子どもは、読書する親の姿を見て、あんなおもしろそうに読んでいるのならば自分も読んでみたいと思い、本に手を出し、本が好きになります。
 
「あなたのみことばは、私にとって楽しみとなり、心の喜びとなりました。」                   エレミヤ書15章16節